本会は終了しました。
たくさんの方のご参加ありがとうございました。

さる11月21、22日に新潟コンベンションセンター 朱鷺メッセにおいて開催されました第34回日本骨髄腫研究会総会・患者会セミナーには大変多数の方々の参加をいただき、盛会の内に終了致しました。これもひとえに会員の皆様および関係各位のご協力の賜と深く感謝申し上げます。誠にありがとうございました。
21日の学術総会においては米国、中国の専門家を含む476名という極めて多くの方々の参加をいただきました。今回の新たな試みとして、A,B会場の同時進行といたしましたが、33題の一般演題と10題のコメディカル関連演題の発表および活発な討論をいただきました。一般演題では多くの基礎研究発表に続いて新規薬剤(bortezomib, thalidomide, lenalidomideなど)による治療研究や副作用克服の報告が多くなされ、多発性骨髄腫に対する治療戦略の大きな変化が実感されました。午後の最後のセッションでは骨髄腫研究会共同臨床研究の進捗状況が報告されましたが、既に1つの臨床試験(JMSG0901)の症例登録が進行しており、2つの臨床試験の審査が進行中であります。従来、多発性骨髄腫に対するqualityの高い多施設共同臨床試験は極端に少なく、来年の総会のテーマが“共同臨床研究の推進を”であり、今後本研究会主導の優れた臨床研究が次々に実施されることが期待されます。 また、コメディカル関連演題では、チーム医療に関連する様々な試みが紹介・協議されましたが、患者さんご自身の参加や発言も聞かれ、極めて有意義なセッションとなりました。 さらにB会場の午後には、今回の総会テーマである“チーム医療で難局を乗り切ろう”を主題にコメディカルシンポジウム(ノバルティスファーマ共催)が開催されました。残念ながら、参加予定であった厚生労働省の森 和彦課長が新型インフルエンザ対策緊急会議のため急遽不参加となりましたが、医師、看護師、薬剤師、そして患者さん自身からの発表およびチーム医療を充実するための協議が活発に行われました。さらに、IMFのMs. Susie Novis代表、Dr Durieにもご参加いただき、米国でのチーム医療の現状報告や体制改善などの貴重な助言をいただきました。 また、中国からの特別報告(Dr Hou Jian), 2題の特別講演(Dr Brian Durie:患者の会共催, Ms Tiffany Richards:ヤンセンファーマ共催), 2題のランチョンセミナー(秀島 輝先生:ヤンセンファーマ共催、三浦比呂子、津留崎寛子、川原史子各先生:ヤンセンファーマ共催)そしてイブニングセミナー(Dr Vincent Rajkumar:セルジーン共催)によって多発性骨髄腫の基礎研究、臨床研究、そしてコメディカル関連の最新情報の提供をいただきました。
22日の患者会:骨髄腫セミナーには、157名の患者さん・御家族の方々のご参加をいただきました。堀之内朗賞の受賞式、基礎講演、分科会、個別相談会が開催され、患者さん・ご家族に最新の治療戦略や治療方法の選択などの基礎知識、また個別の方々に対する具体的な治療相談を受けていただきました。ご講演や分科会・個別相談の講師を担当していただいた先生方に心から深謝いたします。ここでもMs Susie Novis, Dr Durieに参加いただき、日本の患者さん・ご家族に大きな希望と元気を注入していただきました。さらに、21,22日の両日を通じてプロイラストレーターの末吉陽子さんに作品の展示とライブペイントをお願いしましたが、作品の素晴らしい色彩と繊細な表現をお楽しみいただけたと確信しております。
来年度第35回日本骨髄腫研究会総会は総会長 吉田 喬先生(富山県立中央病院)により、“共同臨床研究の推進を”テーマとして、富山国際会議場で平成22年11月20日(土)に開催されます。本年と同様、コメディカル関連の演題募集やシンポジウムも計画されコメディカルの方々の積極的な参加を募っていますので会員の皆様および関係各位のご協力をお願いするとともに今後のご活躍を祈念して、お礼のご挨拶に代えさせていただきます。
平成21年11月吉日
参加人数
総会 476名 (総会懇親会参加 200名)
患者会 157名
特別報告 1
特別講演 2
ランチョンセミナー 2
イブニングセミナー 1
第34回総会のテーマである、“チーム医療で難局を乗り切ろう”実現のために、
3つの新たな試みを計画しています。
1. 従来の日本骨髄腫研究会総会においては、基礎研究から実地臨床まで、医師主導の研究発表が主体でした。近年、造血幹細胞移植や分子標的治療の急激な進歩などにより、多発性骨髄腫の治療は多様化・複雑化を極めています。このような状況において、チーム医療の重要性がクローズアップされてきていますが、特に臨床現場での看護師、薬剤指導・管理に携わる薬剤師、リハビリを担当する理学療法士、さらに患者さんの医療経済などの相談に応じる相談支援センター員の役割は非常に大きくなってきています。かかる状況を踏まえて、日本骨髄腫研究会総会においても、チーム医療の充実・発展を願って、医師の研究発表に限らず、コメデイカルサイドからの研究発表も広く公募し、日本全国の施設間での協議を盛り上げる場を提供する、というのが狙いです。そのため、2会場での同時進行とします。
2. 1に関連して、多発性骨髄腫に対するチーム医療の主役は当然のことながら、患者さんご自身です。米国においては大規模な患者支援団体である、International myeloma foundation (IMF)が米国内のみならず全世界的に活動されており、患者さんやそのご家族のみならず、医療関係者にとっても大きな知識的・精神的支えとなっています。日本においても、日本骨髄腫患者の会が精力的に活動されており、日本中の患者さんやご家族への情報提供や相談の中心的存在となっています。日本骨髄腫研究会総会の翌日には骨髄腫セミナー(患者の会)が開催されており、大きな成果を上げていますが、今回の総会では、さらに一歩進んだ試みとして、研究会総会と患者の会を併催とし、総会時に共催コメディカルシンポジウムを開催することにより医療サイドと患者・家族サイドの徹底した情報共有およびより良い治療を目指した有意義な協議が可能となるようにします。この部門に関しては、米国からIMF代表のMs. Susie Novis, Dr. Brian Durieそして患者ケアの専門看護師(MD Anderson Cancer CenterのMs. Tiffany Richards)の来日が決定しており、これまでにない実りある協議が可能となることと期待されます。
3. 新規分子標的薬剤のなかでも、proteasome inhibitorであるBortezomib, IMiDsであるThalidomide, Lenalidomideはその高い治療効果によって骨髄腫治療の中心的存在となりつつあります。しかしながら、欧米での臨床試験の結果から導入された薬剤の場合、常に日本人においては有害事象などに大きな違いがある危惧がつきまといます。この観点から、日本人を含めたアジア人種における新規薬剤の治療効果や有害事象の発症の厳密なモニタリングは安全性確保の面から至上課題と考えられます。当科は過去7年間にわたって、中国黒竜江省・ハルビン市の医療施設と医療交流を実施してきた経験から、中国においても多発性骨髄腫症例数は近年劇的に増加してきており、その集学的治療戦略の確立は大きな課題であることを実感しています。以上の状況を踏まえて、本総会に中国の専門医師団の来日を計画しております。中国の多発性骨髄腫診療の実情を紹介いただく企画ですが、アジア人における多発性骨髄腫診療の情報共有および今後の国際協力が期待されます。
以上、従来の研究会総会に加えて、盛りだくさんの内容となっています。もちろん、従来の総会同様、ランチョンセミナー、イブニングセミナーとして米国から多発性骨髄腫の専門家の招聘も決定しておりますが、最初に述べましたように、“チーム医療”の充実を願う企画となっておりますので、多発性骨髄腫の診療に関わる全ての方々の積極的なご参加・ご協力を、何卒よろしくお願いします。11月の新潟は近年の地球温暖化のおかげ?で雪の心配は全くありません。晩秋の新潟の景色、食、そしてお酒を存分にご堪能いただけることと確信しております。